第4話「店長、おソバばっかじゃ夏バテしますよ!」

登場人物

あんず(19歳)
一人暮らしの大学生。バイトと課題に追われつつ、ゆるく薬膳にハマり中。
店長(40代)
あんずのバイト先の店長。無愛想だけど部下思い。最近夏バテ気味。浅く疲れぎみ。

目次

バイト先 町のカフェ「つむぎ」

最近、バイト先の店長がちょっと元気ない。
あれ?いつもより声にハリがないような…。

「なんか…夏バテかなぁ。昼メシ、ずっと冷たいソバばっかなんだよね。
 だって暑いじゃん、火使いたくないしさ」

あ、やっぱり。

冷たいソバ=体を冷やす=夏バテ悪化ルートです、店長…。

「今日、まかない、私に作らせてもらえませんか?」

バイト先のカフェで、私・あんずはそう切り出した。

店長、最近ちょっと元気がない。
「暑くてさ〜、昼はだいたいソバかアイスコーヒーだけで済ませてる」なんて言ってるけど、それって完全に“冷やしすぎ生活”だ。

暑いと冷たいものを欲する気持ちは分かる。
でも、夏バテで食欲が落ちるときこそ、体を内側から温める工夫が大事なんだって、薬膳の勉強で知った。


温活そうめんスープ(冷やしver.)

材料(1人分)〉

  • そうめん…1束(ゆでて冷水でしめておく)
  • サラダチキン…30g(細かく裂いておく)
  • みょうが…少々(千切り)
  • 大葉…2枚(千切り)
  • おろし生姜…小さじ1(多めが◎)
  • 白ごま…小さじ1

冷静スープ

  • 水…150ml(冷水 or 氷水)
  • 白だし…大さじ1
  • 醤油…小さじ1
  • すりごま…小さじ1
  • 生姜汁…少々(お好みで)

作り方(調理時間 約10分)

  1. そうめんをゆでて冷やす
     袋の表示通りにゆで、冷水でしめてしっかり水気を切る。
  2. 冷製スープを作る
     ボウルに冷水・白だし・醤油・すりごま・生姜汁を入れてよく混ぜる。
  3. 器に盛りつける
     器にそうめんを盛り、上にサラダチキン・みょうが・大葉・おろし生姜・白ごまをのせる。
  4. 冷たいスープをかける
     スープを注ぎ、氷を1〜2個加えるとさらにひんやり!

薬膳ポイント

食材性味帰経効能
そうめん(小麦)甘・平脾・胃消化にやさしく、疲労回復に◎
生姜辛・温脾・肺冷え予防、食欲増進
みょうが辛・温肺・肝気を巡らせ、だるさを取る
鶏肉甘・温脾・胃気を補い、体力を支える
大葉辛・温肺・脾香りで気を巡らせる

休憩終わり

「うまっ、これ冷たいのに、なんか内臓がホッとする感じだな」

まかないをひとくち食べた店長が、目を見開いて言った。

「でしょ?みょうがとか生姜って、体を冷やさずにさっぱり食べられるんです。白ごまも、気を巡らせてくれるし、夏バテ予防にもいいんですよ」

そう言いながら、私はにんまり。冷たいものばかり食べていた店長の顔色が、ちょっと明るく見えた。

「こんなん、もっと早く食べたかったなあ……明日も作ってくれる?」

「えっ、いいんですか?じゃあ、また薬膳まかない考えてきます!」

「よし!今日から薬膳隊長よろしくな!」

店長の笑顔に、ちょっとだけ自信が湧いた。
ずぼらでも、薬膳はできる。誰かの役に立てる。
そう思えた、嬉しい昼休みだった。


あんずのひとこと

「暑い日はやっぱり冷たいものが食べたい。
でも、体の中まで冷やさなくていい。
ちょっとした工夫で変えられるのが薬膳の面白いところ。」

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この記事を書いた人

国際中医薬膳師のいろはが薬膳の効果と普段食べている食材にも効能があることをお伝えします。

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