五行クロニクル– category –
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五行クロニクル
第11話 涙のリフレクションは心の泉で(心労編)
夜のアラームが鳴っても、柚葉はベッドの上で動けなかった。レポートを提出して、課題も全部終わったはずなのに、心が空っぽだ。スマホを開けば、友達の楽しそうな投稿が次々と流れてくる。旅行、恋人、推しライブ、カフェ巡り。どれもキラキラしていて、... -
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第10話 だるおもマラソンは月曜スタート(気虚編)
アラームが3回鳴っても、柚葉は起き上がれなかった。布団の中で片手だけ出してスマホを止める。目は半分しか開かず、脳がまだ夢の中にいるようだった。 「……あと5分。いや、10分……いや、もう今日、月曜やめたい……」 ようやく体を起こして鏡を見ると、目の... -
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第9話 便秘ウォーズ!トイレ前線異常アリ(便秘編・陰虚秘)
朝。柚葉はトイレにこもっていた。 「……出ない。」 すでに10分は経っている。スマホの時計を見つめながら、額にじわりと汗がにじむ。「昨日も、その前の日も……出てないんだよね。てか、腸、サボリすぎじゃない?」 便秘3日目。お腹は張ってるのに、食欲は... -
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第8話 生理前のカオスカーニバル(PMS編)
「……あーーもう!!」柚葉は自室の机の前で両手を広げた。夜の十一時。締め切り前のレポートはWordの白紙画面のまま。カップラーメンのフタは半分開いたまま。目の前には、食べかけのポテトチップスと、何度も温め直したホットミルク。 「いや、なんで今日... -
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第7話 湿度MAXなのに、私の体内カラ砂漠?(腎陰虚編)
柚葉は夜の自室で、ノートパソコンに向かっていた。締め切りが迫るレポートは、真っ白なページのまま点滅しているカーソルだけが元気だ。加湿器はフル稼働で、モニターには「湿度70%」の数字。窓ガラスにはうっすら結露までついているのに、喉はカラカラ... -
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第6話 むくみ迷宮で水路大混乱(むくみ編)
朝のアラームがけたたましく鳴った。柚葉はスマホを枕元で探りながら、重たいまぶたをこじ開ける。 「……うわ、顔パンッパン」 鏡をのぞき込んで、思わずのけぞった。まぶたは腫れぼったく、頬もふくらんで輪郭がぼやけている。昨日の夜、ゼミの発表準備で... -
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第5話 乾燥で咳とか、私って砂漠のゼミ生?
柚葉はゼミ室の片隅で、必死に咳をこらえていた。乾燥した冬の空気が喉にまとわりつき、息を吸うたびにカサカサと音が鳴りそうだ。 「けほっ……んんっ……」 声を殺しながら喉を押さえる。マスクの中で、喉の奥がひび割れるように痛む。 夕方のゼミ。教授の声... -
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第4話 ストレス頭痛は風の仕業?(頭痛編)
柚葉は自分の机に突っ伏し、こめかみを両手で押さえていた。 夕方から続く頭痛は、授業を聞くどころじゃないほどにガンガン響いている。ノートの文字は二重ににじみ、友達に「大丈夫?」と心配されても「いやマジで脳内ドラムソロ開催中」なんて返すのが精... -
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第3話 こたつでも冷えるとか、私って内臓ブラック氷河期?(冷え編)
柚葉はこたつに足を突っ込みながら、顔だけ出してぐでーっとしていた。冬の夜。外は氷点下近いはずなのに、室内は電気代節約のためにエアコンを切っている。唯一の希望は、赤く光るこたつだけ――のはずだった。 「……おかしい。足、全然あったまらないんだけ... -
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第2話 眠れぬ夜の心火と腎水(不眠編)
柚葉はベッドの上で、天井をにらんでいた。時計の針は夜中の二時を回っている。 部屋の隅には、飲みかけのペットボトルと、カップ麺の空き容器。机の上には、開きっぱなしの教科書と、半分残った安物のお菓子の袋。ペットボトルは飲みかけが2本、どっちが...
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