街角にひっそりと佇む《喫茶つむぎ》。
そこでは今日も、薬膳師の見習い・あんずが体にやさしい料理やお茶を用意している。
常連の会社員、疲れた学生、恋に揺れる若者――。
彼らの抱える小さな悩みや、ふとした謎。
その背後には、日常に隠れた「心と体のゆがみ」があった。
黒胡麻プリン、杏仁豆腐、棗のハチミツ煮……。
薬膳の知恵と、オーナー蓮の飄々とした一言が、人々の心を少しずつ軽くしていく。
これは、薬膳を通して人の想いをほぐしていく
ほんわか日常ミステリー×薬膳ストーリー。
目次
登場人物
喫茶つむぎ

あんず
《喫茶つむぎ》で働く薬膳師見習い。
素直で真面目だが少し不器用。薬膳の知識を勉強中で、お客様の体調や悩みに合わせた一皿を工夫する。
「薬膳は心と体の両方を癒すもの」という信念を持っている

蓮(れん)
《喫茶つむぎ》のオーナー。三十代半ば。
出資者でもあり、時々カウンターに立ってギターを弾いている。
ひょうひょうとしていて掴みどころがないが、核心を突くような一言でお客様の心を軽くする。
過去は謎に包まれており、大人の余裕を感じさせる人物。

つむぎ
《喫茶つむぎ》の店長。穏やかで優しい女性。
お客様にもスタッフにも寄り添い、店全体の空気を和ませる存在。
常連客

石田さん
会社員のおじさん。ぽっちゃり体型で食いしん坊。ユーモアのある会話で店を和ませる。

森永 翠
デスクワークで疲れやすい女性客。ストレスから癒しを求めて時々来店する。

由衣ちゃん
女子高生。勉強も優秀だが悩みを抱えやすく、店に通ってあんずや常連に励まされている。

三浦 朝陽
音楽青年。喉や心の不調を抱えながらも歌に向き合っている。