第21話 冬瓜

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冬瓜と母の食卓

夕暮れの《喫茶つむぎ》。
蒸し暑さが残る中、恰幅のいい中年サラリーマン、石田さんがのっそりと入ってきた。
ネクタイをゆるめ、スーツの上着を脱ぎながら椅子に腰を下ろす姿には、長い一日の疲れがにじんでいた。

「昔はどれだけ食べても平気だったのに、最近は体が重くてね。やっぱり年かな」

ハンカチで額を拭う姿は、どこかしんみりして見える。
奥から現れた蓮が、肩をすくめて飄々と口を開いた。

「若いころの食べっぷりを今も続けてたら、そりゃあ体もびっくりするだろ」

石田さんは苦笑し、私はやさしく声を添える。
「脾や代謝の働きが少し落ちているのかもしれません。今日は、冬瓜と鶏のスープがありますよ。体を軽くしてくれます」

「じゃあ、それをお願いしようかな」
注文を受けてスープを用意していると、石田さんはふと目を細めて懐かしそうに語り出した。

「母がよく作ってくれたんです、冬瓜料理。大きな冬瓜を刻んで、余った分はよく茹でてから冷凍していてね。……でも、なんでわざわざ下茹でしてから冷凍してたのか、ずっと不思議で」

私は鍋をかき混ぜながら微笑んだ。
「その方が色も食感もきれいに保てるんです。冬瓜は水分が多いから、生のまま冷凍するとスカスカになってしまうんですよ」

「なるほど……そういうことだったのか」
石田さんは目を丸くし、やがて懐かしい思いをかみしめるように笑った。
「長年の謎が解けましたよ。母は料理好きだったから、ちゃんと知っていたんですね」

やがて運ばれたスープからは、鶏のだしと冬瓜のやさしい香りが立ちのぼる。
石田さんは一口すすると、ほっとしたように目を細めた。

「……うまいな。やっぱり母の味を思い出します。体も軽くなっていくようだ」

私はうなずく。
「冬瓜は余分な水分を外に流して、むくみや体の重さを和らげてくれます。鶏肉も脾と胃を補ってくれるので、代謝の落ちた体を支えてくれるんです」

石田さんは器を置き、深く息を吐いた。
「年齢なりの食べ方の工夫、大事なんだな」

蓮はギターケースを肩にかけ直し、にやりと笑った。
「人生も同じさ。下ごしらえしておいた方が、味わい深くなるんだ」

店内に小さな笑いが広がった。
窓の外では、暮れゆく夏の空に涼しい風が流れ込み、母の食卓の記憶と重なっていく。

今日の薬膳ミニ知識

冬瓜:余分な水分を排出し、むくみや体の重さを和らげる。清熱作用で体を涼しく保つ。
鶏肉:脾と胃を補い、消化・代謝を助け、体力を回復。
保存の知恵:冬瓜は下茹でしてから冷凍すると、色や食感を保てる。

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この記事を書いた人

国際中医薬膳師のいろはが薬膳の効果と普段食べている食材にも効能があることをお伝えします。

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