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あんずのブログ
第26話 黒酢ドリンク
黒酢ドリンクと紛れた瓶の謎 昼下がりの《喫茶つむぎ》。ストーブの火がやさしく揺れ、外には春を告げるような風が吹いていた。カウンターでは、あんずが仕込みの手を止めて伸びをしたところだった。 勢いよくドアが開く。「すみませぇん! 酸っぱいもの... -
あんずのブログ
第25話 羊肉スープと栗のモンブラン
羊肉スープと栗のモンブラン 昼下がりの《喫茶つむぎ》。外は粉雪が舞い、ガラス越しに白い光がちらちらと揺れていた。カウンターでは、あんずが湯気の立つ鍋を見守っている。 扉のベルが鳴り、白髪にハットをかぶった男性が入ってきた。穏やかな笑みを浮... -
五行クロニクル
第10話 だるおもマラソンは月曜スタート(気虚編)
アラームが3回鳴っても、柚葉は起き上がれなかった。布団の中で片手だけ出してスマホを止める。目は半分しか開かず、脳がまだ夢の中にいるようだった。 「……あと5分。いや、10分……いや、もう今日、月曜やめたい……」 ようやく体を起こして鏡を見ると、目の... -
五行クロニクル
第9話 便秘ウォーズ!トイレ前線異常アリ(便秘編・陰虚秘)
朝。柚葉はトイレにこもっていた。 「……出ない。」 すでに10分は経っている。スマホの時計を見つめながら、額にじわりと汗がにじむ。「昨日も、その前の日も……出てないんだよね。てか、腸、サボリすぎじゃない?」 便秘3日目。お腹は張ってるのに、食欲は... -
五行クロニクル
第8話 生理前のカオスカーニバル(PMS編)
「……あーーもう!!」柚葉は自室の机の前で両手を広げた。夜の十一時。締め切り前のレポートはWordの白紙画面のまま。カップラーメンのフタは半分開いたまま。目の前には、食べかけのポテトチップスと、何度も温め直したホットミルク。 「いや、なんで今日... -
五行クロニクル
第7話 湿度MAXなのに、私の体内カラ砂漠?(腎陰虚編)
柚葉は夜の自室で、ノートパソコンに向かっていた。締め切りが迫るレポートは、真っ白なページのまま点滅しているカーソルだけが元気だ。加湿器はフル稼働で、モニターには「湿度70%」の数字。窓ガラスにはうっすら結露までついているのに、喉はカラカラ... -
あんずのブログ
第24話 紅玉アップルパイ
紅玉アップルパイと小さなサプライズ 午後の《喫茶つむぎ》。外は冬の風が木々を揺らし、カウンターの上ではオーブンの中から甘い香りが漂っていた。焼きたてのパイ生地がほのかに色づき、紅玉の赤がガラス越しにきらめいている。 扉のベルが鳴り、明るい... -
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第23話 柚子茶
柚子茶と冬の息吹 冬の夜、《喫茶つむぎ》のカウンターには、ほのかに甘い柚子の香りが漂っていた。湯気とともに広がるその香りは、冬の冷たい空気をやさしく包み込んでいく。 扉のベルが鳴り、ギターケースを背負った三浦朝陽が入ってきた。「こんばんは…... -
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第22話 桂花茶
桂花茶と不思議な受験生 冬の夕暮れ、街には冷たい風が吹き抜け、通りを歩く人々の吐く息が白く揺れていた。《喫茶つむぎ》のドアベルが鳴り、制服姿の女の子がふらりと入ってきた。「こんばんは……」椅子に腰を下ろしたのは、高校3年生の由衣ちゃん。「キ... -
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第21話 冬瓜
冬瓜と母の食卓 夕暮れの《喫茶つむぎ》。蒸し暑さが残る中、恰幅のいい中年サラリーマン、石田さんがのっそりと入ってきた。ネクタイをゆるめ、スーツの上着を脱ぎながら椅子に腰を下ろす姿には、長い一日の疲れがにじんでいた。 「昔はどれだけ食べても...